Media/盤)

    [Import (輸入盤), Original (オリジナル盤)]

Sleeve/ジャケ)

    [Coating (コ-ティング)]

イタリアはミラノ生まれのピアニスト/作編曲家Tony De Vitaが1972年に吹き込んだ知られざるピアノトリオの名作。ジャズピアニストとしての知名度は低いですが、イタリアでは作曲家として多くの有名な楽曲を残しており、1960年代から続くその活躍ぶりは、数多のTV番組、ラジオ局に提供した楽曲群、そしてイタリアを代表する大衆女性歌手ミーナとのコラボレーションは特に有名です。ジャズのスタンダード・ナンバーとしても世界中で愛される名曲(にして本作のタイトル曲)「ソフトリー・アズ・アイ・リーヴ・ユー」は、彼のペンによるナンバーであると言う事実が、彼が世界的にも優れた作曲家であるという、何よりの証拠でしょう。そんなトニー・デ・ヴィータのピアニスト、アレンジャーとしての資質をたっぷりと楽しめる、メロディアスな逸品が本作です。

自身のオリジナル曲に加え、世界中から素晴らしいメロディを感じさせるポップスの名曲を取り上げて、エレガントでスタイリッシュなピアノトリオで聴かせる“優しさ”に溢れた1枚で、程よい切なさが滲むジャズボサに仕立てた「A1. Parole, Parole」を聴けば、この作品がいかに上質なモノであるかが伝わるでしょう。流麗なピアノがリードする同系のジャズボッサ「A5. E Pesno A Te」、力強いジャズサンバ調のリズムに乗せて駆け抜ける「B3. Grande Grande Grande」、愛らしいメロディが印象的なオリジナル「B4. Vanessa」辺りのブラジリアン・フィーリングを感じさせる楽曲や、華麗なワルツの「B1. Wive And Lovers」(バート・バカラック)など、実にスタイリッシュで都会的なセンスを感じさせてくれます。他にも、歌心を感じさせるタッチでシンプルに聴かせるジョン・レノンの名曲「A6. Imagine」、「B5. Midnight Cowboy」、「B2. My World」などもとにかく秀逸で、全編肩の力の抜けた、でも、品性に溢れる演奏のみが収められているのです。

CDは『プロダクション・デシネ』より復刻されています（『Tony De Vita (トニー・デ・ヴィータ) - Softly As I Leave You (ソフトリー・アズ・アイ・リーヴ・ユー) (New CD)』）。

愛らしいジャケットも含め、一生お楽しみ頂けるかも知れない“粋”な1枚です。有名無名、レアかどうか、なんてどうでも良いでしょう？きっとこの作品に耳を傾ければそんな小さなことは気にならないハズ...。うーん、素晴らしい。(mm)

ジャケットは上下のエッジに裂けが見受けられるため「7/15 = VG (やや難)」としています。表面自体はまずまず良好です。盤はかなり「良好な部類です。